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EDITORIAの目指すもの
 

地球観測データを利用して、地球環境の理解を深め、予測能力を高め、危機管理や資源管理等における健全な政策決定に資する情報を提供することが国際的に求められている。地球環境は自然系と人間系のサブシステムが相互作用しながら変動しており、その結果甚大な災害を引き起こし、生態系サービスの低下を招き、エネルギー、健康、水資源、農業などの公共的利益分野に多大の影響を与えている。このような事態が社会経済的活動の制約条件となるばかりでなく、人類の生存すら脅かす事態ともなっているという懸念は、科学研究グループのみならず政治的リーダの国際的共通認識となり、政府間協力のアクションがとられ始めた。

このような科学的、社会的な喫緊のニーズに応えるためには、各学問分野が相互に連携して問題解決のブレークスルーを見出すことがまず必要であり、さらに現業機関などとの連携によってその成果を定常的なサービスにつなげる戦略が有効である。そのためには様々な情報源から得られる多様で超大容量のデータへのアクセスと解析、利用を容易にするコアとなるデータシステムの構築に取り組まなければならない。とりわけ地球観測衛星の活用機会が増大し、数値モデル出力の急増加を考慮すると、データ量は必然的に超大容量となり、ここ10年で数10ペタ(ペタは10の15乗)バイトにも達する。また分野毎のデータや情報の質の違いや記述の多様性は、分野間での相互利用性を困難にしている。これらは情報科学技術の先端的研究開発課題でもある。

そこで学内の地球観測分野、情報科学技術分野、災害や農業などの公共的利益分野を担う部局の研究グループが相互に協力して連携研究機構を組織し、地球観測データを効果的、効率的に統合し、情報を融合する実証的なデータシステムを開発し、地球環境変動の理解、予測、対応策におけるブレークスルーとなる研究成果を世界に先駆けて発信する。さらに国内外の研究、技術開発、現業機関と協力して、公共的利益分野への適用事例を拡張、展開するとともに、情報を定常的に利用するシステムを開発する。


 
   
© EDITORIA, The University of Tokyo