流域レジリエンス

■ 実施体制 ■

1.実施計画の実施に関する体制等

①研究開発の実施体制

図3にあるように、地球環境情報統融合ワークベンチの開発・適用研究は、気候分野、水循環分野、河川流域物質循環分野、生物多様性分野、都市河川分野、農業分野の各研究グループが相互に連携するとともに、幹事研究機関の情報科学、空間情報学分野の研究グループの支援を得て、DIAS上でデータ、情報、モデル、解析手法、各分野の科学知と経験とをグループ間で相互に共有することによって実施される。

②人材育成の実施体制

東京大学教養学部一般教育セミナールにおける講義は、地球簡素データ統融合連携研究機構の教員で主として実施されるが、教科書については、本研究の各分野の研究者と幹事機関研究者が分担して執筆される。 河川流域での能力開発プログラムもどう同様である。

図3 実施体制

図3 実施体制

2.適切に実施計画を実施できることの説明

①実施責任者(代表機関代表研究者)について

本実施代表者は、「データ統合・解析システム」(DIAS)の課題代表者の一人として、データの相互流通性・相互利用性に関する業務を実施するなど、データやシステムの利活用を具体的に支援するためのシステム構築やサービス開発を行った経験が豊富であり、DIASを用いた気候、水循環、生物多様性、農業などの研究活動を指導してきた実績を有しており、本実施計画の推進にあたって最適任である。
また本実施代表者は、2005年度から2010年度まで東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)のセンター長を務めたが、CSISでは地理空間情報に関するさまざまなコンテンツやサービスを共通のプラットフォームとして、気象・水文等の自然科学分野、情報工学・システム工学といった工学分野、あるいは空間経済・都市・健康・防犯といった社会科学分野など、幅広い学問分野と関係する学際的な共同研究プロジェクトを多数実施している。 特にプラットフォームは各分野が必要とするコンテンツを定常的に収集・整備・更新し、それらを利用するためのソフトウェアの整備・改良も同様に行っており、この経験は、データ統合・解析システムに基づいてさまざま七分野の課題解決型研究開発及び人材育成の支援にあたってきわめて有効であり、十分な成果が見込まれる。
さらに、代表者は、地球観測グループ(GEO)によるアーキテクチャとデータ委員会の共同議長を務めており、海外の研究者やデータセンター関係者との合同ワークショップやシンポジウム等を定期的に開催し、データ連係やシステムの共同構築等を推進してきた。 この経験から、国内のみならず海外を含めた幅広い研究開発ネットワーク構築への展開についても大きな成果が期待できる。
さらに、代表者は、地理情報システム学会長を務めた経験を有し、さらに地理空間情報の推進に関する産学官連携推進協議会(事務局:内閣官房)において学界代表幹事を務めるなど、関連政府組織や国内学会・協会等とのネットワークを有しており、東日本大震災に関わるデータ等のデータベース化についても大きな成果が期待できる。

②分担機関について

農作物の生産性を、環境に負荷を与えないで増大させることは社会の持続的発展にとって不可欠の問題である。 世界では、灌漑が整備された集約農業だけでなく降雨のみに依存する天水稲作や焼畑など、多様な条件で作物生産が営まれているが、分担機関代表の本間香貴らは、様々な農業を対象にして、収量支配要因をエネルギーと水・土壌養分などの有限資源の利用の面から量的に解明し、生産性向上と安定生産に向けた作物の遺伝的特性ならびに栽培技術の改良方向を示す研究を行っている。 その成果は、多くの日欧論文としてこうひょうされており、2008年には日本作物学会研究奨励賞、また2009年には日本作物学会論文賞を受賞している。

③実施計画の実施に必要な施設・設備について

本研究は、「データ統合・解析システム」の開発を立案し、開発に関わってきた研究グループが、相互連携して提案するものであり、本計画の実施に不可欠な「データ統合・解析システム」のアクセス環境については、理想的な状態にある。
また、恒常的なネットワーク体制の構築のためには、震災や停電等の不足の事態に対する頑強さが重要になるが、東京大学の本施設は耐震構造研究グル−プによる耐震管理や、地震研究・防災グループによる防災システム、また電力消費のモニタリング等が行われており、計画を実施する上で十分な備えが用意されている。

3.知的財産権の帰属に係る関係機関間の取決めについて

知的財産権はそれぞれの研究機関に帰属することを希望する。

知的財産の帰属・承継について(代表機関:東京大学)

公的資金を投じた成果として東京大学において生み出された知的財産の社会還元の責務は、教職員およびその機関にあり、その最も適切な管理・活用方法は、原則として東京大学に機関帰属する仕組みであると考える。

発明規程(分担機関:京都大学)

京都大学発明規程により、本学が承継する旨決定した権利は、本学に帰属する。 ただし、本学が承継しないと決定したものについては、当該職務発明等についての権利を発明者に帰属させることができる。

4.経理に関する実施体制等

氏名 所属機関 所属部署・役職
代表機関 高島 章寿 東京大学
生産技術研究所
事務部
経理課 副課長
連携支援室 室長
代表機関 青木 秀夫 東京大学
生産技術研究所
事務部
経理課 係長
連携支援室
代表機関 赤池 真 東京大学
生産技術研究所
事務部
経理課
企画チーム
連携支援室
分担機関 太田 倫弘 京都大学 農学研究科等事務部
経理課専門職員