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機構長挨拶
 
 
 

機構長 沖 大幹

科学の知は、観察や経験に基づいて理論や仮説を形成する帰納的手法と、そうして得られる理論や仮説に基づいて実験や観測を行い、その有効性を検証する演繹的手法を車の両輪として集積され体系化されています。

地球規模課題のように、複雑で簡単には解きほぐせない大きな社会的課題を科学の力を借りて解決しようとする場合にも、演繹的手法と帰納的手法の両者の臨機応変な組み合わせが効果的です。

しかしながら、地球規模課題に挑戦する際に必要となるデータや情報は多様かつ膨大な量になっており、その取り扱いに多大の労力と時間を要します。地上での現地観測データ、衛星画像、さまざまなシミュレーションデータ、人口や社会経済情報等、処理・分析しなければならないデータは非常に多岐にわたり、データ量は大幅に増加しています。

また、より深く緻密かつ効率的に学問を極めるために専門化、分化、系統化が進んだ結果として研究分野間の連携が不足し、ある分野で得られた知識の他分野への応用が次第に困難になる弊害も生じています。地球規模課題は、自然環境システムだけでなく産業システム、社会システム、文化や制度にも深く関連しており、その解決には多様な研究分野間の連携が不可欠です。

一方、先進的な情報科学技術では、不均質な情報源からの多様で超大容量のデータの効率的な蓄積、データへの柔軟なアクセスやデータの統合、情報の融合などが可能となっています。

EDITORIAでは、情報科学技術と地球環境に関わる多様な学問が連携し、地球観測情報や数値モデル、社会経済情報を効果的に統合・情報を融合する科学技術を開発して、地球規模課題の解決に資する「知」の創造と、国際社会に貢献できる公共的利益の増進を世界的に先導します。


 
   
© EDITORIA, The University of Tokyo