流域レジリエンス

■ 概要 ■

事業期間全体の概要

・ 実施しようとする内容

本研究は、気候、水循環、生物多様性、農業、都市河川に関わる研究グループが、地球環境情報統融合プログラムと協働して、地球規模の観測、予測データや地域の詳細データの統融合と各種モデルの結合を実現するデータ基盤(これを、ワークベンチとよぶ)をDIAS上に構築し、地球規模課題を陸域水循環系のユニットである河川流域規模で解決するためパイロットスタディを実施する。
また、地球環境情報の統融合と地球規模課題の包括的な理解と本質的な解決を目指す教養課程の講義を提供し、その成果を教科書としてまとめるとともに、能力開発プログラムを設計し、対象河川流域に提供する。

・ 達成目標

流域レジリエンスの向上に資する地球環境情報統融合ワークベンチを構築し、流域スケールでの意思決定を支援するシステムを開発する。

・ 期待される効果

地球規模課題の解決のための「知識インフラ」が生み出され、その社会実装が進み、顕在化している課題だけでなく、新たに発生する課題や想定を超える外力に対応できる科学知が創出され、さらに広いステークホルダーが利用可能とするシステムとへと進化することで、レジリエントな社会づくりへの貢献が期待される。

平成23年度事業の概要

1) 対象流域のニーズの整理

国内2流域での気候、水循環、河川物質循環、生物多様性、都市河川もしくは農業に関わる課題とニーズを整理するとともに、海外4流域の基礎情報を収集する。

2) 地域詳細データ収集手法の設計

DIASにおける生物多様性研究で開発された住民参加型のデータ収集、品質管理、アーカイブ、および統合・解析手法を積極的に導入した、地域詳細データの収集手法の設計を行う。

3) モデル間結合の設計

水循環モデル、物質循環モデル、都市河川モデル、農作物モデルなど、本研究で用いるモデル間でデータや情報を共有し、相互に連携させながら利用できるシステムを設計する。

4) 地球環境情報統融合ワークベンチの基本設計

気候、水循環、生物多様性、農業、都市河川に関わる研究グループと、地球環境情報統融合プログラムの研究グループで協力して、地球規模データ、地域規模データのアーカイブ、モデル間結合等に関する基本設計を行い、開発すべきソフトウェアと必要なハードウェアを検討する。